持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想48 ウィロー

ウィロー (特別編) [DVD]

1988年作品。原案はジョージ・ルーカスなんだけど、とにかく黒澤明作品味がある。導入とかキャラ立てとか。マッドマーティガンはほぼ三船の菊千代ですよ。ファンタジー映画の 名作を数えるとまず名前が上がる映画なんだけどなるほどうなずける。一気に見てしまった。

 

あらすじ

小人族の農夫ウィローは悪の女王を倒すことができる予言の赤ん坊を拾う。追手に村が襲われたことからウィローは赤ん坊を安全な場所に届ける旅に出る。途中罪を犯して囚われた最強の剣士マッドマーティガンや女王に呪いをかけられ姿を変えられた魔女ラゼルらを仲間にしながら女王軍と戦う。

 

感想

ジョージ・ルーカス原案、ロン・ハワード監督です。ジョージ・ルーカスなので典型的な雰囲気がありますね。ファンタジー映画ランキングTOP50とかやると絶対入ってくる作品。そういう意味ではこれを見ないでファンタジー映画のファンを名乗ってはいけない、という点でダーククリスタルなんかと同列だと思います。特別版を見たがボリュームたっぷり。ピーター・ジャクソン監督ははLOTRを作る前に絶対ウィロー見てるなというくらい影響を感じた。LOTRに黒澤味はあまり感じないのだが、間にウィローが入るとある種の流れを感じる。あちこちの美術や展開にスターウォーズ味がおるのでそちらのファンも楽しめそう。流石名作!楽しかった!

今から見ると古いのは古いんですが(だって1988年の映画ですから)、でも当時はちゃんとお金をかけられて映画だったわけで、なので衣装も美術も特撮技術も文句なしです。

マッドマーティガンが魅力的ですね。彼が主役になってもいいような人なんですよ。立ち位置的にはアラゴルンですよね。戦闘能力に欠ける主人公をサポートしてくれる人間のかっこいい戦士。こういう人ってファンタジー映画でなければ主人公なんですよ。かっこよくて強くて恋愛展開に参加しますし。ファンタジーだと何故か主人公は別の人がなりがちなんですけどね。アラゴルンは王ですし、原作の雰囲気もあるので思慮深いキャラクターで茶目っ気はありますけど所謂典型的なハリウッド主人公ではないです。でもマッドマーティガンは結構典型的なタイプ。賢いんだけどガサツで自信家で、人を食ったようなところもあって、女性からするとイライラするけど魅力的、というモテ男。彼がこの映画の恋愛枠です。お相手役は悪役の娘、ソーシャ。

彼女は最初悪役なんですけどマッドマーティガンに恋して母を裏切るわけです。最初に予言されてます。

アクションもたっぷりあるし長い距離を旅して目先も変わるしで飽きない一作。