持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想95 ホビット 思いがけない冒険

ホビット 思いがけない冒険 (字幕版)

2012年。ホビット三部作一作目。LOTRから10年後に作られたがガンダルフガラドリエル、サルマン、フロド、レゴラス、エルロンドあたりが続投していて10年経っても歳を取らない俳優マジックが窺える。監督は揉めに揉めたけど最終的にはピーター・ジャクソン。最初はギレルモ・デルトロだったんですよね。で、デルトロの御用達、コミック作家でヘルボーイの作者のマイク・ミニョーラが美術として参加するって話もあって最初の方は参加していてコンセプトデザイナーの一人に名前を連ねているんですが、デルトロが他の作品をやるのでやめて彼もやめましたね。結局はLOTRシリーズと同じくアラン・リージョン・ハウLOTRの小説の挿絵で有名な二人が続投しました。

 

あらすじ

平和に暮らしていたホビットのビルボがガンダルフに推薦されて忍びの者としてドワーフ13人のパーティーに参加。山の下の王であるトーリンらドワーフ達は竜によって奪われた故郷を取り戻そうとしていた。オークたちはトーリンを付け狙う。旅の途中ビルボはゴブリンの洞窟で魔法の指輪を拾う。

 

感想

行きて帰りし物語ですね。There and Back Again。ファンタジーの一つの典型は今いるところで停滞したり困難を抱えている主人公がどこか遠くへ(別の世界であることもあります)旅に出て、そこで冒険をして力をつけ、成長して、そして元のところへ帰ってくる。帰ってきた主人公はもう旅に出る前とは別人になっている。多くはいい意味において。しばしば酷く傷ついてということもありますけどね。

忍びの者とはRPGのジョブ的に言えば盗賊です。ビルボ役はマーティン・フリーマンマーティン・フリーマンは事前のアンケート(公式ではなくてどっかのサイトがやったやつです)でビルボに相応しいと思う俳優を取ってたんですけどマーティン・フリーマンはかなり上の方でした。ただ当初はSHERLOCKの撮影と重なってできないという話だったんですけど。結局時期がずれたことでマーティンが演じることができましたね。彼、本当にホビットらしい人間なんですけど若いわけではないんですね。それにいわゆるイケメン俳優でもない。可愛らしい、愛嬌のある顔なんですけど、イケメン俳優枠であったことはないでしょう。

そこで他のキャラで美しさを補っています。まず、トーリンのリチャード・アーミテッジ。トーリンが原作ではおじいさんなのにセクシーすぎる、ドワーフってこんなにセクシーなのかという意見は公開当初からあったけど画面が綺麗になるのでよいのではないかと思います。やっぱり綺麗な役者が出ていると画面が華やかですし。あとフィーリとキーリの若手ドワーフ兄弟ですね。彼らもイケメン枠。美しい顔がわかるように髭の量少なめです。

美術と衣装が相変わらず美しい。この話、ドワーフが13人も出てくるんですよ。どう考えても人数過多。ドワーフ過剰です。でも有名児童書なのでね、ここを変えるわけにはいかないんですよ。ドワーフを6人にしたりしたらクレームがくる。LOTR成功の秘訣の一つが原作に忠実という点なので、ここを変えたら良さを失ってしまいます。そこで髪型を変えたりなんだりしてうまいこと13人のドワーフの区別がつくようにしています。努力の成果ですね。