持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想98 ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間

ロード・オブ・ザ・リング (字幕版)

2001年の作品です。指輪物語の映画化、タイトル長すぎるのでLOTRと書かれがち3部作の一作目。一番好きな本の映画化なのでこれについて良し悪しを語る事は私にはできない。好きすぎて公平に見ることができている自信がありません!有名役者は使わず美術や衣装に金かけまくったファンタジー大作です!これはもうファンタジーの教科書みたいなものだからみんなとりあえず一回は目を通しておこう!

 

あらすじ

平和に暮らす小人のホビット族のフロドは養父か魔法の指輪をもらう。魔法使いガンダルフによればその指輪は冥王サウロンの物であり、フロドは冥王の手から逃れる為逃げなければならない。フロドはホビットの友人や野伏のアラゴルン、エルフやドワーフの9人の仲間と共に指輪を葬る旅に出る。

 

感想

今見返すとかなりテンポがよくてトントンと話が進んでいく。相当に長い話を3部作でやろうっていうんで、まぁもたもたはしていられないんですけどね。

ある種ロードムービーなので場所が変わると画面の雰囲気ががらりと変わる。服や建物、小物や髪型などが種族によって異なり、視覚から文化の違いが見えるのが中つ国にリアリティを与えています。この種族ごとに異なる文化、衣服や小物、建築などの違いはこの映画のために作ったというよりは今までの本の挿絵などでコンセプチュアル・アーティストを務めたアラン・リーたちが描いてきたものを深めた感じなんですよ。

まず物語はガラドリエルの奥方の語りで過去の話から始まり、現在の話としては最初にホビット族の村から始まります。ホビットは映画の設定では確か身長120センチほどの小人。丸いドアが印象的で丘などにトンネルを作って住居としています。でも全体の雰囲気はイギリスの田舎ですよね。畑を作って牛を飼って、花や緑が沢山あって人々は交際好きで大きな心配事もなく日々の暮らしを楽しんでいる。ホビットたちは私たちにとって想像のつかないような暮らしをしていたり精神構造をしているわけではありません。

次がブリー村。ここは人間の町。ホビットもいますがメインは人間。だから建築も家具も人間サイズでホビットからすると何もかも大きい。また街道沿いなのかな?余所者はまずいないホビット村と違って多少怪しげな人種もいます。ここはサイズ感の変化とともに少し怖さを味わう場面です。

それから村的なある程度人が住んでいるところとして出てくるのは次は裂け谷ですね。エルロンドの館。ここは我々観客としてもフロドたちからしても夢のような世界です。建物は開口部が広くとってあって植物の成長を妨げないようになっているし、色々なものが淡い柔らかな色をしていてあちらこちらに美しい彫刻があって、という具合。地元こんなんだよって人はまずいないでしょうし、ポジティブな意味での異世界感があります。

そしてドワーフ文化としてはモリアがLOTRでは出てきます。ここはもう滅びていますからそれほど観れはしませんが、ギムリが身につけているものからドワーフの被服なんかの文化は知れますね。エルフに比べると大分四角張っている。ドワーフ文化についてはホビット三部作の方でかなり見ることができます。彼らの好む色調や飾りなんかも。次がロスロリアンですね。裂け谷とはまた別のエルフの国。さらに別のエルフ文化はホビットの2作目でレゴラスの実家が観れるのでそこで覗くことができます。あとオークたちの様子から彼らの文化も見ることができます。

LOTRの一作目ではここまでですけれど、2作目以降では馬を大事にする騎士の国ローハンとアラゴルンの実家のゴンドールの文化が見れます。双方人間の国ですけれど違う服や建築、美術の文化があるのでこれもぜひ見ていただきたい。

ロケ地のニュージーランド異世界的で美しい。