持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想120 二ノ国

二ノ国

2019年各映画ブログでクソ映画・オブ・ザ・イヤー有力候補として名前が上がりまくっていた映画。説明不足と登場人物が誰一人物事を深刻に考えないところと障がいに対するどうなの?という設定とか物語展開とか、なかなか考えこまされます。「えーっ!それ本気で?」って映画に突っ込みたい人は見てください。

 

あらすじ

車椅子の少年ユウは幼馴染のハルとその彼女コトナと仲良し。ある日コトナが腹を刺されユウとハルも車に跳ねられそうなりパラレルワールド二ノ国に。コトナにそっくりなアーシャ姫が病に倒れていた。二ノ国と元の世界は繋がっている。コトナの命を巡りユウとハルは敵対することになる。

車椅子についての話はみんな書いてるんで(「二ノ国 障がい者 書き方」とかで検索したら映画ブログさんがいくつも何故この映画の車椅子の書き方がよろしくないのか、なんでこの設定にしたんだ、とか話してるので見てください)、映画の話をしますけど、もう圧倒的に説明不足なんですよねー。時々キャラが「わかった!」とかいうんですけど何でわかったのか、その辺の説明が圧倒的に不足してるんで「何が?」ってなるんですよ。

最後のオチも、伏線小さなセリフだけなので「それやりたいならもっと丁寧にやんなきゃだめだよー」って言いたくなる。これじゃあやっつけ仕事に見えますよ。

あと誰一人物事話深く落ち着いて考える人がいないのストレスですね。みんなちゃんと考えて。もう全員落ち着きがない。「怒った!戦争するぞ!」とかそういうノリなので。知恵を働かせる人誰もいないのか。王様は味方のはずなのにくそだし、悪役はあんまりにもかわいそうでどっちに同情していいかわからないし。

でもいいところもあるんですよ。褒めるとすれば久石譲が音楽やってますからそれがいいですし、絵の雰囲気はジブリ風です。だから街の様子とか色使いが綺麗ですね。でも絵の美しさという点ではちょっと、ジブリには及ばないです。同じジェネリックジブリ仲間の「メアリと魔女の花」の方が断然綺麗です。あと私はゲームを二作くらいやってたんで、そのゲームの中で使った魔法が出てきてそれはあー、あれか!って感じで楽しかったです。ひどいのわかってて見たので気楽に笑いながら見ましたが何も知らずに期待して1800円払って見たら怒り狂うかもしれないな。とりあえず感情の処理が雑なんですよね。動機が変というか。このシーン要らなくない?という謎の王女なのに知らん男の前で水着になって泳ぐシーンとか。監督の趣味なんだろうな。でもそのシーン入れなければもっと丁寧にやれたんじゃないかと思われてしまった。