持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ハイファンタジーとローファンタジーの違い

ロード・オブ・ザ・リング (字幕版)

 

ONE PIECE カラー版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

私のブログではタグをつけて見た映画の分類をしているんですが、その分類に「ハイファンタジー」「ローファンタジー」というものがあります。

「ハイファンタジーって何?高尚なファンタジーってこと?」

「ハイファンタジーは良い作品でローファンタジーは悪い作品ってことなの?」

「は?私の好きな映画ローファンタジーにされてるんだけど??」

 

色々な疑問が浮かぶ方もありましょうがそういうわけではないんです。

まず最初にお話ししておきたいのは絶対の定義はないというもの。学者によって違ったりしますし作品の中でハイファンタジーとローファンタジーが混淆することもあります。なのでここではわかりやすく一般的な定義についてご説明します。

 

①ハイファンタジーとローファンタジーっていうのは舞台の違いによって分けられる

ハイファンタジーというのは架空の世界を舞台にしたファンタジーです。わかりやすく言えば「ロード・オブ・ザ・リング」。当たり前のようにオークやドワーフホビットやエルフがいますね。中つ国という架空の世界があって、そこの架空の地図があって、そういう世界が舞台の物語です。

ジブリで言えば「天空の城ラピュタ」や「風の谷のナウシカ」はハイファンタジーです。架空の土地、架空の歴史や種族や国や魔法などの架空の力、そういうもので構成されたここではない世界で展開される物語。「ゲド戦記」もハイファンタジーですね。まぁナウシカは我々の世界の未来の姿を描いたもの、という見方をすることもできますが、この未来の世界、というのもハイファンタジーになります。過去の史実を変えたりするのもそうですね。

漫画でいうと「ONE PIECE」はハイファンタジーです。「鬼滅の刃」もそうですね。全く連載再開されない「HUNTER×HUNTER」もハイファンタジーです。

 

対してローファンタジーは現実の世界を舞台にしています。現実の世界を舞台にしたファンタジーなんてあるの?という話ですけどあります。具体的に挙げると例えばジブリで言えば「借りぐらしのアリエッティ」。あれ、基本は我々の住んでいる世界で、その世界では普通存在しない小人の話です。小人は当たり前には存在しないから人々はアリエッティを見て驚きますね。「ナニー・マクフィー」シリーズもローファンタジーです。魔法は普通存在しないイギリスに魔法使いのナニーが来てくれる。「メリー・ポピンズ」も同様ですね。普通、魔法は存在しない世界に魔法使いがやってくる。

漫画で言えば「デスノート」はローファンタジー。現実世界に死神とデスノートという魔法の生き物、魔法のアイテムが紛れ込んだことで起こる物語です。

 

②現実世界の人物が架空の世界に行くのもハイファンタジー

では「行きて帰りし物語」の類のファンタジーはどうなるのでしょうか?

つまりジブリで言えば「千と千尋の神隠し」、ディズニーで言えば実写の「アリス・イン・ワンダーランド」、それから「ナルニア国物語」。これらもハイファンタジーに分類されます。ナルニア国物語はペベンシー4兄弟がナルニアという世界に行って戻ってくる話で、こちらの世界では魔法は当たり前ではないですけれどナルニアでは当たり前。そしてその世界がメインですから。「はてしない物語」はこの類のハイファンタジーです。

 

ドラえもんはアニメはローファンタジー、劇場版はハイファンタジー

さて、ドラえもんはというとテレビアニメはローファンタジーです。ドラえもんという魔法の生き物(科学と説明されていますが科学が発達してもああいうふうにはならないのであれは科学の名前を借りた魔法です)が現実世界にやってきて魔法のアイテムでのび太くんを助けたりトラブルになったりする。古くはネズビットの「砂の妖精」と同じ類の物語です。対して劇場版ドラえもんはどうなのか、というと、ブリキの王国に行ったりもしもボックスで魔法の世界を出したりして、その架空の世界が舞台になっているのでこれはハイファンタジーですね。

 

ハリー・ポッターもハイファンタジー

ハリー・ポッターは魔法が当たり前にある世界です。死の秘宝なんてほとんど学校にいきませんけれど魔法が当たり前に存在していてマグルの首相もそれを知っていて、というあたりでハイファンタジーになります。史実の改変にあたるのではないかと思いますね。

 

⑤ハイファンタジーでありローファンタジーである作品の例

ディズニーが映画化した「BFG」がそうです。BFGは最初主人公の女の子が巨人の国へ行く。この辺はハイファンタジーです。その後BFGがイギリスへやってきて女王陛下に会いますね。あのあたりはローファンタジー。巨人が現実にやってくるので。

映画化まだなので悲しくなってきますがナルニアシリーズの「魔術師のおい」もハイとローが入り乱れます。主人公たちが別の世界に行くのはハイ、そこからジェイディスを連れてきてしまってジェイディスがロンドンで大暴れするあたりはローです。

 

というわけでこういう基準でジャンルわけをしております。