持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想130 ライラの冒険 黄金の羅針盤

ライラの冒険 黄金の羅針盤 (字幕版)

2007年。LOTRと同じニューラインシネマが作りました。原作はフィリップ・プルマン作のDark Material Trilogyです。私これ原作大好きなんですよ!!!声を大にして言いたい。好き!ファンタジー小説大好きランキングやったらベスト10に絶対入る。

 

あらすじ

この世界では魂は動物の姿で人に寄り添う。冒険家の叔父に学寮で預けられたおてんば娘のライラの周りで子供が攫われる事件が多発。子供たちは北極へ連れていかれるらしい。学寮で渡された真理計で真実を探りながら、気球のり、鎧を着た白熊、魔女たちと共に友人を救出しようとする。

 

感想

ライラ役のダコタ・ブルー・リチャーズがものすごいライラっぽいんですよ。このキャスティングは良かったですね。LOTRに続くファンタジー映画を作ろうというニューラインの気合いは伝わってくる豪華なキャスティングでアスリエル卿がダニエル・クレイグ、コールター夫人はニコール・キッドマン。魔女のセラフィナはエヴァ・グリーン。悪役にはクリストファー・リー。味方の白熊のイオレクはイアン・マッケランです。気合入ってるな。

でも悲しいかな。映画としては大したことない作品に終わりました。というのもやっぱり脚本が悪かった。監督が変わって若い人になったんですよね。特典映像も見たけどなんか自分のやっていることに自信がなさそうな監督なんですよ。あ〜こりゃうまくいかないだろうなとは思った。脚本が良くないっていうのは、まず世界観の説明をLOTRの最初よろしく女性のナレーションで語ってしまったんですよね。これ、ダイモンって一番の魅力の一つなのでもっとうまく見せるべきだった。無駄なシーンが度々挟まるんですよね。三部作の予定だったんでその為だと思うんですけどまずは一本の映画として成立していないといけないので、教権の会議のシーン二つは要らなかったし、アスリエル卿とサモエード族との戦いも要らなかった。もっとライラに話を絞ってほしい。

美術とか衣装は良かったですよ。特に美術。ライラの冒険シリーズはパラレルワールド、というか今の言い方で言えばマルチユニバースかな?の話で黄金の羅針盤の世界は我々の世界とは違うんですね。エレクトリックパワーでなくアンバリックパワーという力を使っていたり。なので飛行船や車のデザインなんか少しずつ違うんです。ちょっとアール・ヌーボー調。全米美術監督組合賞の美術賞取ってます。

地名もちょっとずつ違うんですよね。イオレクの鎧が隠されていた教会のデザインとかも最高でした。中世風の木造の教会。コールター夫人の黄金なのに悪そう、でも魅力的な衣装も良かった。コールター夫人はライラの母親なんですが、峰不二子的悪役が主人公の母ってのも珍しくていいですよ。そして主人公の両親が対立しているのに愛し合っているっていう。ライラ登場シーンの赤いエプロンドレスもすごくライラの性格を描いてますね。英国的で気が強い感じ。特別なのがすぐにわかります。物語の進行や絵はあまりにもLOTRの影響を受けすぎている。そこから脱せられたら良かったのになぁ。原作だと黄金の羅針盤の最後は絶望とあたらしい世界への旅立ちで終わるんですけど、すごく平凡な終わり方になってしまったのも残念でした。

これ、ドラマになる話ありましたけどどうなってるのかな?ドラマできたら楽しみに見たいと思います。

 

こいつファンタジーファンなのに今更これ見てんの?」みたいなのが結構あると思うんですけどなぜかTwitterには感想載せてないケースが多くて、特に自分で円盤持ってる奴なぜか書いてないんですよね。最近エクセル管理して気がついて見直してから感想書いてます。ちゃんとナルニアとか見てるんで…ジブリもディズニーも見てるんですよ!!でもなんかこの企画では書いてなくて、おかげで誰も知らないようなマイナーファンタジーの話はして超メジャーどころ落としてるように見えるっていう…ちゃんと見てます〜! でもオズの魔法使は本当になぜか見てなかったからそう言うケースもあります。