持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想132 インクハート/魔法の声

インクハート/魔法の声(字幕版)

2008年。原作はコルネーリア・フンケ。「どろぼうの神様」の作者ですね。ドイツ人ファンタジー作家に対してすごいと思ってしまいがちなんですけど正直この映画に関してはあんまりだったなぁ。ちゃんとしてたんですけどね。という話をしていきます。

 

あらすじ

モーティマは朗読で本からキャラを呼び出せる魔法舌。「インクハート」と言う本を読んだ際中から悪役と火吹き男の<ホコリ指>を出し、代わりに妻が本の中に入ってしまった。それから数年、彼は娘と共に妻を本から出すため「インクハート」を探していた。ついに見つけたが、同時に本に戻りたいホコリ指と、もっと本から財宝などを取り出したい悪役も彼を見つけたのだった。

 

感想

ハムナプトラブレンダン・フレイザーが主役です。悪役のカプリコーンはLOTRのゴラムでお馴染みアンディ・サーキス

ちゃんと動きもあるし、本からお馴染みのキャラクターもたくさん出てくるしで本好きならワクワクするシーンもあると思います。オズ魔からトトと翼のある猿とかね。ラプンツェルも出てくるし、ピーター・パンの時計ワニも出てくるし。ミノタウルスとか。メインはオリジナルキャラですけども。 この映画に対するネガティブな感想で「ラプンツェル以外は知っているキャラが出なかった。オリジナルばかりでがっかり。せっかく本からキャラが出て来るのに」とか言ってる人がいましたが、結構ちゃんと本の登場人物で出てるよ!多分この感想書いてる人がろくに本読んでないんでしょう。確かにオズの魔法使いに偏ってるところはあるんですけど、権利の関係じゃないかなぁ。

さて本題に戻ります。舞台もイタリアのお城なのかな、綺麗です。おばさまの家の図書室はワクワクします。衣装はパッとしないんですけどね。最後の朗読会で娘のメギーが着てるドレスどうした?って感じです。

多分、なんかいまいちな理由って妻のレサが主人公が来る前に物語から出てきていたことと主人公が誰かはっきりしないことだと思います。言わば主人公の活躍不足。主人公が複数いて同時平行的に進んでいく話ならいいんですよ。LOTRとかね。でもあれはかなり長い話だったのでそれで成立したんですが、これそんなに長くない上に主人公せっかく魔法舌なのにクライマックス朗読しないで取っ組み合いで貢献してるんですよ。腕力による貢献。最後ホコリ指を本に返してあげましたけど。

加えて主人公がなんか物語のキャラクターに対して偉そうだって言うのも引っかかりましたね。 でも作家が自分の創作物にあえて嬉しそうにするのは可愛かったなぁ。まぁこうなるよね!と言う感じ。妻が本から出されてから主人公たちがカプリコーンの城に乗り込んでくるまでメイドやってるんですけどかなりサボってるんですよ。こんなにサボってて平気なのかと思ってしまった。刃物も自由に盗めるし。なんか細部気になりました。

面白くないわけではないしちゃんとまとまってるし味方サイドのキャラクター魅力的ですけど悪役が怖くないのと悪役の動機が弱いのと主人公が十分に活躍しないこと、なんか合わせて一回見れば十分だし一回も見なくても全然大丈夫な映画です。でも見ても後悔とかはしません。