持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想139 スリーピー・ホロウ

スリーピー・ホロウ (字幕版)

1999年。ティム・バートン監督、主演がジョニー・デップという無数にある映画の一つ。私結構好きなんですよ。ジャンルでいうとダークファンタジーなのかな。ゴシックホラー風というか。元はワシントン・アーヴィングの小説「スリーピー・ホロウの伝説」。

 

あらすじ

1799年NYの巡査イカボットはスリーピー・ホロウの連続殺人事件の捜査を担当。四人が殺され首は全て持ち去られていた。村人は犯人は首無し騎士だという。最初信じなかったイカボットも騎士の犯行を目撃し、富豪の娘カトリーナと被害者の息子マスバスと共に騎士を操る犯人を見つけようとする。

 

感想

とりあえずティム・バートンの世界ですよね。暗いんだけど見やすくて、血が盛大に出るんだけど怖くないっていう。ティム・バートンの映画に出てくる血って赤すぎるのか、あるいはあまり苦痛が描かれないからか様式美といった感じである種美しいばかりで怖くないんですよね。

ヒロインはクリスティーナ・リッチですけどまた抜けるようにお肌が白くて綺麗な金髪でいかにもティム・バートンのヒロイン。

衣装が良くてヒロイン、カトリーナのドレスもイカボットの回想で出てくる母親もカトリーナの義母もみんなキャラクターの個性が出る美しいドレスを着ています。カトリーナのドレスで特に印象的なのは死者の木を探しに行くイカボットのところへ馬で追いかけてきたときにきていたコート。銀がかった白のコートで裏地に真っ赤な薔薇が刺繍してあってもうはちゃめちゃに美しいです。あと昔の家に行ったときにきているブルーのドレス。

脚本も良くてミスリードがうまいんですよ。あ、この子が魔女だったのか、犯人だったのか、ってなるんですけど後で、あ!守ってくれていたのか!ってなるのすごく良い。 怖いシーンはほぼないんですけど、助産師の家での殺しだけは怖いですね。直接は描かれないけど子供が殺されるんで。映画だと割と子供の殺しは避けてかかれないことが多いんですけどこれはやりました。もっとも首無し騎士に持ち上げられるところだけで直接殺しを映像では見せません。よかった。見せられると寝覚が悪くなる。

テンポが早いのでかなり早い段階で犯人は超自然的なすでに死んでいる首無し騎士であるということは判明、謎は誰が操っているのか、ということに絞られます。だから魔女は誰か、という映画なんですよね。 美術が良くてアカデミー美術賞を取っています。各部屋の壁紙の色とかドレスの色、髪の色、かぼちゃのオレンジ、花の白、カーペットの赤も素晴らしいバランスなので見る際は是非映像の美しさにも注目してほしい。

富豪のヴァン・タッセル役がまさかのマイケル・ガンボンでした。ダンブルドアが教会で殺されるシーンはなかなか独創的なので是非見てほしい。あのシーンは最高でした。教会に入れない首無し騎士がどうやって教会内に立て篭もった人を殺すか、という工夫。 お気に入りの映画の一つです。