持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想142 ザ・シーカー 光の六つのしるし

ザ・シーカー 光の六つのしるし (字幕版)

2007年アメリカ映画。公開時は「光の六つのしるし」というタイトルでした。原作はスーザン・クーパーの「闇の戦い」シリーズの一作目。原題は「The Dark is Rising」と言うシリーズです。これ、アーサー王伝説ベースにしてるんですよ。

 

あらすじ

英国に越してきたウィルは14歳の誕生日、自分は闇の支配から世界を守る光の一員、古老だと告げられる。闇の力が大きくなる五日後までに光の力を秘めたしるし、異なる時代に散らばる木、青銅、鉄、水、火、石の六つの印を探すように言われる。ウィルは力を尽くすが闇の手の者も迫ってくる。

 

感想

これ、原作好きで実家と今住んでいる家と両方にシリーズ揃ってるんですが揃ってくるくせにあまり読まないからどこが原作と違うとかはっきり言えないんです。面目ない。でも大筋一緒です。結構違いますけど。どっちだ?結構違いますね。まず、原作ではスタントン一家生粋のイギリス人ですし、お父さんの仕事も違うし、お兄さんの役割も違うし、結構キーキャラクターだった「宿なし」カットされてるし。でも改悪と呼ぶほどのことはないと思います。基本は同じですから。

 

古老の一人だと知らされた選ばれし者、ウィルが光の六つのしるしを探すために時を超えます。一方、実際に彼の過ごす時、現在は力を増す闇の影響を受けてどんどん暗くなっていきます。具体的には大寒波が来るんですよ。最初は雪だ!くらいの感じだったのが寒すぎて車もこれないし食料もなくなりかけるし、燃料も減って暖も取れなくなる。そういう命の危機が迫るほどの寒さが押し寄せてくるのです。怖いでしょ?

この話もファンタジーの常道である、大きな二つの勢力の戦い、光と闇の戦い、善と悪との戦いがメイン。ウィルは光の側ですね。仲間の古老が他にもいるんですが、これがこの作品、ちょっと変わっているのは光の仲間が町にいる一見そうとは見えない人たちである点。若くも美しくも強そうでもないんです。ミス・グレイソーンは村の大きなお屋敷に住むお金持ちの老女、魔術師マーリンであるところのメリマンは表向きミス・グレイソーンの執事です。他にも何人かメンバーいるんですけどみんなパッと見ただけでは特別だとわからない人ばかり。

そして同様に闇の者も村に普通にいるんですね。騎手はお医者さんだし、マギーはウィルと同じ学校の美人な女の子。そして闇はウィルの兄も誘惑して闇の手先にしてしまう。

それぞれのしるしを一つずつ過去に戻って探すのですが、1時間38分でそれをやるとどうしても単調になるんですね。テンポ感も悪くなってしまうから一つ一つもあっさり見つかる。水が石段を這い上がってお屋敷に入ってくるシーンとかいかにも寒そうな雪の様子とか予算のない映画ではないと思うのですが、小説的な描写でなんとかなるシーンが映画だとあっけなく見えてしまうせいでなんか物足りない感じになっていたかな。まぁそもそもこの光の六つのしるしって何?って話なんですけど、全部集めると光の側、ウィルたち古老にとっていいアイテムだよ〜って感じですね。正直はっきりしない。

オリジナルのショッピングモールの万引き疑惑のシーン必要だったかな〜という感じもある。ウィル役の俳優さんは悪くないんだけどすごく良くもなかったし、美術もちょっと。蛇のシーンとかモンスターもないわけではないのですが、これは蛇は1匹だし小さいし、周りでニョロニョロしているだけなのであまり脅威になっていないんですよね。難しい。原作好きなのであまり悪く言いたくはないんですけど、可もなく不可もなくと言う感じかな。お父さんの職業を大学教授に変えた理由よくわかんなかったな。この話だとそこまでアーサー王感ないです。 お気に入りのシーンは大寒波でミス・グレイソーンのお家に村人が避難するシーン。