持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想91 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 (字幕版)

2007年。五年生。ここからラストまで監督がデヴィッド・イェーツ。イェーツになってから詩的表現が消えてスピーディーに只管ストーリーを展開するようになる。この話はシリウスが死ぬのでシリウスファンには重要なんだろうけど映画としてはあんまり面白くないんですよね〜。

 

あらすじ

ポッター五年生になる。ヴォルデモートは活動を再開し、死喰い人は脱獄。ファッジ首相は現実から目を背け、ヴォルデモートの再来に備えよと説くダンブルドアを恐れる。魔法省から学校にやってきたアンブリッジが実践をさせないので、危機感の募ったハリーたちはダンブルドア軍団を作り自主学習に励む。ハリーは夢でヴォルデモートたちが何をやっているかわかるようになる。

 

感想

ポッターが15歳になり性格がやや複雑になるため、全体にうんざりさせられる。というのはいつも主人公が不機嫌でイライラしてるんですよね。話が暗くなるんで仕方ないんですけど、でもかなり子供っぽい理由だから、つい。話的にも5番目ということでやや中だるみ。シリーズの中でさほど重要な位置づけでもないし。

美術について言えば魔法省内の美術は暗すぎる。こんな暗いところで働きたいか?ポッターでは怖いところは暗いか緑色なのでわかりやすい。アンブリッジの部屋は怖可愛いですね。ここの美術は良かったなぁ。モーヴピンクで統一されてて、壁の皿の猫たちが可愛いのに太々しくて。

これは原作を高校の英語の授業で読んだ思い出があります。先生が好きだったんで。

ファンタジー映画感想90 ハリー・ポッターと炎のゴブレット

ハリー・ポッターと炎のゴブレット (字幕版)

2005年。4年目。今回はトライウィザードトーナメントということで英国以外の魔法学校が出てきます。これ、結構前から気になってたポイントですよね。イギリスはホグワーツ、でもイギリス以外の魔法使いはどうなってんの?っていう、その疑問の答えです。初めての死者により物語は暗さを増していきます。

 

あらすじ

ハリー四年生。ハリーは夢でヴォルデモートが自分を捕らえようとしているのを知る。学校では一年かけて三校対抗魔法試合が行われ、何者かがハリーをエントリーし代表の一人に選ばれる。一方死喰い人が再度現れるなど世界は暗くなりつつある。学校の誰かがハリーを殺そうとしている。3校対抗魔法試合の中で。

 

感想

ポッターのドラゴンは小さい。これ、私がどうもポッターを好きになれない理由の一つですよ。ドラゴンがカッコ悪くない?という点。ポッターが戦ったのはハンガリー・ホーンテール。死の秘宝の特大のウクライナ・アイアンベリーが18メートルだから更に小さい。ホビットのスマウグは映画で130メートル。原作だと18.3メートルという説もあります。何にせよポッターのドラゴンって大きな番犬程度の存在なんですよね。凶暴だけど動物でしかない。だから鎖をつけて繋がれたり、学生の実力を図るために障害物として使われたりするわけです。私の好きなドラゴンは、古くから生きている人間よりよほど知恵のある生き物、恐ろしいけれど同時に畏怖の念も抱けるような、そういうドラゴンなので、この大きな番犬としてのドラゴンにはどうも閉口してしまいます。

さて、ポッター物語の中の初の死者、ディゴリー役の爆イケ俳優はトワイライトのロバート・パティンソン。監督はマイク・ニューウェルで4作目のみでした。ヴォルデモートも蘇ったし死人も出たし物語の雰囲気は暗くなっていきます。今回だけの衣装で言うとパーティーのドレスが可愛い。チョウ・チャンのチャイナ風ドレスが特に。ハーマイオニーのドレスはちょっと背伸びしてたかな?恋愛ネタも出てきて、ハリーたち大きくなりましたね。

ファンタジー映画感想89 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (字幕版)

2004年。3作目。3作目は監督がクリス・コロンバスからアルフォンソ・キュアロンに。暗示的で美しいシーンが多く私は割に絵として好きだったのだがこの人3作目しか撮らなかったんですね。この辺からポッターたちがGAPばかり着るようになる。制服は?

 

あらすじ

3年生になったポッター。巷ではヴォルデモートの腹心のシリウス・ブラックが魔法使いの監獄アズカバンを脱走、ハリーを殺しに来るとの噂。ハリーはシリウスが友人だった両親を裏決ったと知り激怒する。ある日死んだはずのピーターの名を魔法の地図で見つけたハリーは両親の死の真相を知る。

 

感想

記憶に入るとか記憶を見るとかはポッター頻出なんだけど、時をリアルに戻るのは3作目だけかも

ハリーポッター指輪物語だとかナルニア国物語とは書かれた時代が全然違って、テレビもPCもある時代の作品なので、魔法にもその影響が見られます。記憶を見せるというのがこのさきよく出てくるんだけど、これは過去の動画を見るような感覚ですね。これはテレビ的なイメージが魔法に反映された結果だと思う。

人気キャラのリーマス・ルーピン、シリウス・ブラックの登場回でもあり、オタクの間では人気の作品です。この話、ロンはいいところがなかったなぁ。時間を戻る時も彼だけ蚊帳の外でしたしね。校長がリチャード・ハリスからマイケル・ガンボンに。マイケル・ダンブルドアはちょっと怖いです。顔が厳粛。

ファンタジー映画感想88 ハリー・ポッターと秘密の部屋

ハリー・ポッターと秘密の部屋 (字幕版)

2002年。ポッターシリーズ2作目。これ、ポッター映画の中で私は一番好きな作品。なんと言っても一個で話が綺麗に完結していて分量もいい。好きな美術は秘密の部屋。あのサラザールの顔の彫刻と蛇の丸型のドア大好き。日記に字を書くと返事が来るのも良い。ギルデロイ・ロックハートのキャラも良かった。

 

あらすじ

二年生になったハリー。学校ではスリザリンの後継者にしか開かれない秘密の部屋が開かれる。過去秘密の部屋が開かれた時はマグル生まれの生徒が襲われたという。今改めて部屋が開かれ、生徒が次々と襲われる。スリザリンの後継者とは誰なのか。ハリーは古い不思議な日記帳を手に入れる。その日記はトム・リドルというかつてホグワーツに通っていた生徒のもので、彼はスリザリンの後継者はハグリッドだという。

 

感想

シリーズ8作あって、それまでのことがあるので最後が一番感動的なのだが、単品の子ども向けファンタジー映画としてはこれが一番良くできている気がする。重要な登場人物登場回とかではないからオタク受けはしなさそうだけれど2時間できちんとまとまっているし。ハリーとヴォルデモートの繋がりが暗示されるのもこの辺から。原作を読んでいた時トイレから秘密の部屋にいく、というのがちょっと想像つかなくて映像が頭に浮かばなかったのだけれど映画を見てこういうことか〜と納得。というか、ハリー・ポッターシリーズ、トイレネタ多いですよね。お見舞いに便座を送ったりね。

ファンタジー映画感想87 ハリー・ポッターと賢者の石

ハリー・ポッターと賢者の石 (字幕版)

観てるけどファンタジー映画感想シリーズにあげてなかったやつ見直し企画。

2001年の映画です。ポッターシリーズの一作目ですね。これはローリングが原作通りにしてくださいと頼んだやつで、そのために映画としてはテンポが悪い。本と映画脚本って違うのだが、その辺がよくわかってない人って原作通りにしてくださいっていうんですけど、そういう話ではないんだけどな。本や漫画は自分のペースで読めますから細かいところまで書いたっていいし、いくらでも回想していいし、まぁ程度はありますけど、でも映画って作り手の提示するペースで全員で見させられるんですよね。だから観客全員にとって心地いいスピードで進まないといけないのでオタクの喜ぶ枝葉にこだわってると話が転がらないんですよね〜。。

 

あらすじ

従兄弟一家と暮らすハリーに魔法学校の入学案内が届く。ヴォルデモートという闇の魔法使いに両親は殺され、ハリーは不思議な力で生き残り、その男は生き返ろうとしているらしい。復活に必要な賢者の石が学校に隠され狙われていると知ったハリーは親友のロンとハーマイオニーと共に戦う。

 

感想

美術も衣装も良い。賢者の石のプラスチック感を除けば。あれはよろしくなかったなぁ。でもホグワーツ城も素晴らしいしいいと思います。さすがお金のかかった大作映画。

キャスティングについて言えばハリー役もハーマイオニー役もいい子役見つけてきたな〜という感じ。みんないい役者になりましたね。私、映画の特典ディスク見るの大好きなんですけどポッターは見てないんですよ。特典付きのを買ってない。だからどういうふうにオーディションしたかとか全くわからないんですが、でもダニエル・ラドクリフくんなんて原作の描写と違うの目の色だけですからね。原作は緑。

ストーリーは、と言えば一作目なので闇度も低く普通の児童小説という感じ。親のない子がいじめられていたんだけど実は生まれながらに特別な人物で、とかね。魔法界へ入るところワクワク感は素晴らしい。ロンドンでレンガのかべが開いてダイアゴン横丁に入るくだり、ワクワクです。子供の夢。クィディッチは2作目3作目となると車酔いするがこの頃はそうでもないです。最後賢者の石に辿り着くまでのいろんな課題ですけど、正直日本の子供向けの物語に出てくるくらいの難易度です。論理パズルとか。あれ、映画でカットされちゃって残念でした。でもチェスのシーンは良かったですね。クィレル先生の後頭部にヴォルデモートをくっつけてる姿、ホラーで良かったです。日本の民話に出てくるご飯を食べないお嫁さんのお話みたい。

ファンタジー映画感想86 ファンタスティックビーストと魔法使いの旅

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(字幕版)

2016年。ポッターの原作者が脚本を担当した新シリーズ。監督はポッターのデビッド・イェーツ。主人公はポッターの教科書の作者でニュート・スキャマンダー、イギリス人。彼がアメリカの魔法使いとアメリカのマグルとパーティーを組む話です。ポッターシリーズ終わっちゃってなんかやりたいねってことで始まった企画なんでしょう。学校ものはもうやっちゃったので主人公を大人にしました。エディ・レッドメインといういい役者を主役に据えて豪華に新シリーズスタートです。

 

あらすじ

米国では魔法生物は禁止され、魔女狩りの動きがある。英国人魔法生物学者のニュートは闇祓いのティナ、その妹クィニー、非魔法族のコワルスキーと親しくなる。米国魔法省のグレイブスは最近の不可思議な破壊の原因をオブスキュラスと見ていた。オブスキュラスは魔女狩りの一味の一人だった。

 

感想

金がかかっているし主演はエディ・レッドメインだしで豪華なエンタメ映画。ポッター映画を8作、原作も読んでいる人ならついていける。人間の視点、初見の人の視点としてはコワルスキーがいるので入りやすいだろう。また魔法生物たちがかわいい。地下鉄の魔法のシーンはスピードが早すぎてわかりにくい。

私過去を振り返る映画って常々緊迫感に欠けると思ってるんですよ。このシリーズもハリーの時代より前のことを扱っているわけで悪役はグリンデルバルドですが、グリンデルバルドがどうなるか我々(熱心なポッターファン)はもう知っているわけです。彼、ポッターの時代投獄されてたもんね。ダンブルドアと決闘して負けて要塞かなんかに入ったでしょう。で、そこにヴォルちゃんがやってきてやいやい言われて殺されたじゃないですか。だからジョニー・デップが出てきて豪華に悪役やってても「まぁこの人ジュード・ロウに負けるしな。で、レイフ・ファインズに殺されたしな」って思ってしまう。そのオチが見えてるつまらなさをなんとかするためにオブスキュラスが出てきたのかな。

アメリカ英語とイギリス英語の差の話が出てきたのは面白かったですね。マグルとノーマジとかね。せっかくイギリス人がアメリカに来たんだから入れていきたいポイントです。美術はよかったし、衣装もよかった。

ヒロインがユダヤ系っていうのも多様性って意味でいいと思います。人気のでそうなキャラクターみんな白人ですけど、もうこれはいいってことにしましょうよ。今回のロン枠がコワルスキーですね。でもこれから事態が暗くなっていった時にただのパン屋である彼がどんどん物語の中で空気になってしまわないか、そこがポイントだと思います。彼が観客と魔法界の架け橋になっているので。

ファンタジー映画感想85 ガフールの伝説

ガフールの伝説(字幕版)

2010年。典型的ヒロイックファンタジー。主人公がフクロウだということを除けば。最初普通のフクロウの世界をフクロウ視点で描いてるんだと思っていたらフクロウが鍛治をしたり、背景を見るに紙をすいたり布を織ったりしていると知って混乱した。ちなみに本は未読。

 

あらすじ

フクロウのソーリンはフクロウの勇者の伝説に夢中。兄もソーリンもろくに飛べない内に純血団に誘拐され、ソーリンは奴隷に兄は戦士にされる。ソーリンは友人と逃げ出し伝説の勇者に救援を求めに行く。一方兄は心からの純血団に染まり妹も誘拐してきた。ソーリンは憧れの勇者に出会う。

 

感想

何でこれフクロウでやることにしたんだろう?必然性あるかな?飛ぶから?と思いながら見ていた。原作を読めばフクロウらしさはもっと活かされているのかもしれない。五人パーティー、裏切りの兄、神の木、老いて傷ついた勇者、勇者の叙任など盛り沢山なのだがフクロウというところで間口が狭い。フクロウ社会の文化があまりにも人間ぽいのだ。翼が手のように動くのかというとそうでもないのだけけれど火を扱ったりしてるし。