持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想156 パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉

 

 

2011年。パイレーツシリーズの4作目です。監督は前三部作と変わってロブ・マーシャル。ウィル・ターナー、エリザベス・スワン、ノリントンは退場して代わりにペネロペ・クルス演じる女海賊アンジェリカが登場します。みんな大好きバルボッサは続投です。義足になってますけど。さらに今回は超有名海賊のマーシャル・ティーチこと黒髭が出てきます。そして人魚!メイン人魚のシレーナはあんまり可愛くなかったですけど、最初に出てくる人魚は可愛かったですね〜。アマンダ・サイフリッドかな?と思ったらジェマ・ワードという方でした。

 

あらすじ

ジャック・スパロウは英国国王に永遠の命を手に入れられるという「生命の泉」を探せと命じられる。ジャックは断るがそこで王室の名の下に海賊行為を行う公賊となったバルボッサと再会。バルボッサはジャックから奪ったブラックパール号を黒ひげに奪われていた。ジャックは、かつての恋人だった女海賊アンジェリカと再会する。アンジェリカは史上最恐の海賊・黒ひげの娘で、黒ひげがバルボッサに殺される予言があるので彼のために「生命の泉」へ行くと言う。黒ひげがブラックパール号を持っていたことからジャックは彼らに協力することに。泉での儀式に必要な人魚を捕らえ、彼らは生命の泉を目指す。

 

感想

映画としてはあんまり良くなかったですね〜。何がダメだったのか。 アクションは良かったんですよ。まずギブスくんがジャックと間違えられて裁判にかけられて、そこへジャックが裁判官に変装して登場、みんなを煙にまいて助けるところはジャックのユーモラスな性格を良く描いていたし、その後の国王と軍から逃げるアクションも良かったです。偽ジャックにアンジェリカとの戦いもアイディアいっぱいで良かった。こういうアクションに関してはさすがですよね。面白い。人魚が美しく恐ろしい、というのも人魚の涙が生命の泉の儀式に必要っていうのも良かったと思います。堅物の宣教師と人魚の恋もよかったんじゃないでしょうか。 良くなかったのはやっぱりアンジェリカのキャラかな。中途半端なんですよね。ペネロペ・クルスだし、ディズニーだし、ジャックの元カノだし、と言うことで完全に悪くはない、本当はいい子だけど、でも女海賊として魅力的な程度には悪い、と言うキャラにしようとした結果、中途半端な甘ちゃんになってしまった。せっかく航海士なのに十分な能力の高さを見せらませんでしたしね。頭も悪くはなさそうだけど十分賢いところは見せられなかったし。 黒ひげも今回のメインキャラで悪役なのに半端でした。まず、彼の黒魔術設定、いる??かなりいらない設定でした。黒ひげの部下はみんなゾンビとか人形の呪いとかいらなかったですね〜。対して使うシーンなかったし。そして黒ひげのアンジェリカに対する態度もはっきりしませんでした。娘は大事なのか、それとも娘にも冷酷なのか。まぁ冷酷だったんですけど。 その辺がはっきりすればもっと面白くなったかもしれません。

一作目が成功したのはバルボッサが魅力的だったのもあるかもしれないですね。敵方に悪いけどどこかユーモアがあるバルボッサやアホの二人組がいたのが。

 

 

ファンタジー映画感想155 パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド(字幕版)

2007年。監督も脚本も1作目、2作目と同じです。この後パイレーツシリーズは2011年に4作目の「生命の泉」を出しますが、監督はロブ・マーシャルに変わります。2017年の5作目「最後の海賊(原題:Dead Men Tell No Tales)は更に別の監督、ヨアヒム・ローニングです。

2作目、3作目でデイヴィ・ジョーンズ編は終了ですが、ほんとこのデイヴィ・ジョーンズ編つまんなかったな〜!何がつまらないって話が複雑すぎるんですよ。ややこしい。キャラクターを一筋ではいかないキャラにするためにそれぞれに動機を持たせて対立するよう設定したらそれが複雑すぎてややこしくなっちゃったんですね。対立関係は物語にスパイスを加えるので重要なんですけど、対立を複雑にしすぎたんです。ジャック・スパロウデイヴィ・ジョーンズ東インド会社ベケット、くらいまでならいいんですけどさらにノリントン、エリザベス、ウィルまで対立に加わったせいでめんどくせえなって感じになってるんです。ぶっちゃけノリントン重要じゃないんだから対立させなくていい。私はノリントンで好きですけど。ポッターでいうとルシウス・マルフォイ大好きなんでノリントンも好きなんですよね。気取った小物の綺麗な顔した悪い奴にすぐ好感持ってしまう。

 

あらすじ

ジャックを蘇らせたいウィルらは蘇ったバルボッサと共に世界の果てへ向かい、なんとかジャックとも再会する。ジャックたちはベケットと戦うため海賊評議会に向かう。揉めながらも海賊たちは人の体に閉じ込められた海の女神カリプソの解放とベケットとの戦闘に合意する。

 

感想

枝葉を削ぎ落とすと、要は海賊たちが集まって東インド会社と戦って勝つ話なんですけど、枝葉がくそ多いせいでわけわかんなくなってるんですよね。あと私がこの話好きじゃない理由って私が結構好きだった端役がほんと意味なく殺されるってのもあると思います。エリザベスのお父さんとかノリントンとか。特にエリザベスのお父さん死ぬ必要全くなかったじゃん?あとウィルがフライング・ダッチマンの船長になって10年に一度しか陸に上がれなくなる意味なんかあった?別にいらなくね?デイヴィ・ジョーンズカリプソの恋愛も最後デイヴィ・ジョーンズの死にカリプソあんま関わってないから意味薄かったし。盛り込んだ物語に意味が結構ないんですよ。しっかりして欲しい。とりあえずスタッフがジャックとエリザベスが好きだっていうのは非常によく伝わりますが、好きすぎて物語がつまらなくなってるというか。

あと錯乱したキャラクターが幻影を見るシーンが入ってる映画って大抵碌でもないですけどこれもそれですね。ジョニー・デップがうまい役者だからなんとか見れてるけど、これ演技の下手な役者がやったら見ていられないぞ、という感じだった。いや〜クソでしたね〜!金はかかってるし役者も上手いからなんとか見れるけど、脚本家はよくこれ書いたしOKした方もOKした方ですよ、という感じ。

大ヒット映画三部作の最終章だから豪華にしようとしたのが変な方向に行っちゃったんでしょうね。やるならLOTRやポッターのように原作のあるやつでないと。一作ごとに作って脚本考える話だといきあたりばったり感出ちゃうんで。

ファンタジー映画感想154 パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト (字幕版)

2006年、パイレーツシリーズの第二弾ですね。やっぱり前作より落ちる。三部作にして儲けたい気持ちはわかるんですけどね。キャラを深めようとしてつまらなくしている。でも予算かけてますから一定のレベルがあります。

 

あらすじ

ウィルとエリザベスの結婚式の日、東インド会社ベケットが逮捕状を持って現れ、ジャックのコンパスと引き換えに助けると言う。一方ジャックはデイビィ・ジョーンズから逃れながらデッドマンズ・チェストの鍵を探す。ウィルはジャックを見つけるがジャックは人喰い部族に捕まっていた。

 

感想

パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの2作目です。結局今の所5部作ですけど。デイビィ・ジョーンズ編とでも言いましょうか。正直長さの割にそんなに面白くない。でもお金のかかった話なので見応えはあります。エリザベスはますます海賊になり、ウィルは父親と再会、ノリントンは落ちぶれて、ジャックの北を指さないコンパスの謎が解け、最後は死んだはずのバルボッサも帰ってくる。なかなかの盛り上がりですね。

でもちょっと制作陣がジャックを好きになりすぎたかなーーという感じがある。こんなにスタッフが主人公を好きになると映画ってつまんなくなるんですよ。この傾向時々見られます。スタッフの主人公への気持ちはフラットな方がいい。美術、音楽、衣装等流石の超大作なんで不満はないんですけど、とにかく見続けるのがしんどいのは話が複雑すぎるんですよね。複雑すぎるところは前回バルボッサの手下で面白かった二人組が解説してくれるんですけど、解説しなきゃわからないような筋立てはそもそも良くないんですよ。二人組の1人が宗教に目覚めちゃったのも面白くないですし。面白い続編を作るのって難しいなぁ。

ファンタジー映画感想153 パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち

パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち (字幕版)

2003年ディズニーの実写映画です。アトラクション映画っていくつか作られましたがこれがその最初かな?これは名作ですね〜!意味ないシーンがほぼほぼないです。全くないかもしれない!最近ホラーでつまんない映画見ましたがつまらない映画と面白い映画の差ってなんだろうって考えると色々あるんですけど、共通して言えるのは「つまらない映画は無駄な時間の使い方をしている」っていうのがあると思うんですよね。この映画は無駄な時間がない。ずっと意味のあるシーンが続きます。私はダメなジャニオタなのでジャックとウィルの共闘(ラスト)のあたりみてふまけん味を感じていました。 これキーラ・ナイトレイ演じるエリザベス・スワンがいいんですよね。頭良くて強くて!シリーズ最後の方になると強すぎてちょっと面白く無くなってくるんですけど一作目はちょうどいいかっこよさ。初見の時はノリントンが一番好きでした。

 

あらすじ

カリブ海の港町。総督の娘エリザベスは漂流していた少年ウィル・ターナーが身につけていた金貨を大事に持っていた。港町に海賊のジャック・スパロウが現れ海軍の船を盗もうとするが捕まる。その夜、バルボッサと彼の手下たちが町を襲う。彼らは金貨の呪いで死ねない体であり、呪いを解くためエリザベスが隠し持つ金貨とかつての仲間ターナーの血を引く者を探しにきたのだった。バルボッサたちはエリザベスをターナーの子供と思い誘拐。エリザベスを救いたいウィルと、バルボッサから奪われた船を取り返したいジャック・スパロウは手を組むことにする。

 

感想

アトラクション映画で最も成功し最も有名なものだと思います。

ディズニーのアトラクションには映画が先にあってそれを元に作られたアトラクションが作られるパターンと、アトラクションが先にあってそれを元に作られた映画、の二つのパターンがあります。これは後者。見ているとアトラクションでお馴染みのシーンが山ほどあるのでぜひ確認してください。牢屋で鍵を加えたテリア系雑種の犬とか、攻撃される港町とか死の島の洞窟のシーンとかね。

この映画には無駄なシーンがほぼないと言いましたが、停滞してるシーンがないんです。具体的には移動シーン。下手な脚本家が書くと、ウィルがジャックから船の扱い方を習いながら「お前、あの総督の娘が好きなのか?」「……」「好きなんだろ?」「実は子供の頃彼女に助けられて」みたいな、「その情報観客すでに知ってるから」みたいな情報をわざわざ説明するためのダルいシーンを入れちゃうんですが、この映画にはそういうのないです。映画は省略の芸術だ、と昔先生に言われましたが潔くガンガン省略します。同じことは二度いいません。でもアクションにはしっかり時間を割くし、日本のお笑いで言うところの天丼はちゃんと入れますね。ユーモアはカットしません。カットするのはダルいところだけ。だから脚本がいいです、まず。

美術もいいです。さすが大作映画。CG2003年ですけど豪華ですよね。呪われた海賊たちは月光の下では骸骨になるんですけど骸骨になってもちゃんと誰が誰だかはっきりわかります。 音楽も最高。He’s a pirate名曲ですよね。 モブも良かったなぁ。海軍にもバルボッサの手下にもアホな二人組がそれぞれいるんですけどモブが言わなきゃいけないセリフはこの決まったモブが話してくれるのでだんだんモブに愛着が湧いてくるし、アホの二人組が話しているので情報を伝えるシーンでもユーモアが加わって説明がつまらなくならない。

とりあえずいい作品です。必見。シリーズ全部が好きという訳ではないんですが、この一作目は最高だと思っています。シリーズは段々作っていったケースなのでちょっと人気だからって引き伸ばしすぎたな感がある時もあるのですが。

 

ファンタジー映画感想152 ムーラン

ムーラン (2020) (字幕版)

2020年のディズニー実写映画。この映画は政治的にかなり色々あったので「絶対見ねえ」と誓っていたんですが、ディズニープラスで無料で見れたので今回見たんですよ。いや〜、課金しないで良かった!という出来でした。政治的にどうこうとかいう以前の問題でした。

 

あらすじ

昔々の中国。他民族から攻め込まれ砦を落とされた皇帝は各家から男子一人を兵士として召集する。ファ家の男は老いた父だけだが足が悪い。お転婆な娘ムーランが男装し、父の代わりに軍隊に入る。侵略する軍には国を追われた魔女がおり、魔女はムーランに親近感を覚え仲間になれと誘う。

 

感想

なんかですね〜、もう色々悪いところがあってどこから言っていいのか、という感じなんですよ。ディズニーの実写作品なんでお金かかってます。だからCGとか音楽とかそういうところには文句ないんです。衣装もいいと思う。演技が極端に下手な人もいません。でもダメなんですよ。何がダメかと言いますと、

1)魔女、何?

2)徳言いすぎじゃね?

3)気って何?出した意味あった?

4)ムーランの作戦、色々雑じゃね?

5)アクションがバーフバリの劣化版

って感じなんです。一言言えば「脚本家、途中で二人くらい死んで最後寝不足で完成させた?」って感じです。 まず「魔女、何?」です。

魔女のシェンニャンは実写版オリジナルキャラですね。特別な力があるが故に追放され、居場所がないと感じている。ボーリー・カーンっていうのが実写版のシャン・ユーにあたる悪役なんですけど、こいつにこき使われていて、カーンのことは全然好きじゃないです。男装して軍隊におり、「気」という謎の力を使うムーランに親近感を抱きます。で、時々リクルートする。ムーラン全然靡きません。でもなんか魔女は一方的にムーランを好きになって、まさかのムーランを守って死ぬんですよ。マジで何?どうしたの?死ぬほどムーランとの間に絆深まるシーンあった?自殺?死にたいけどきっかけないしここで死ぬか的な感じで死んだのか?出した意味が全くわかりませんでした。魔女を出した脚本家、死んだんでしょうね。

二つ目の「徳言いすぎじゃね?」問題はアニメ版から多少はあったんですけど、アニメはミュージカルあったりギャグシーンもあったのでそこまで鼻につかなかったんですが、実写版はミュージカルなし、ギャグもなしなのでやばいんですよ、徳の押し付けが。西洋人のペラいアジアってこうでしょ?の押し付け。まぁいいですけども。

三つ目が謎の「気」。突然ムーラン世界に、ONE PIECEでいうところの覇気みたいな、HUNTER×HUNTERでいうところ念みたいな概念持ち出されてひっくり返りそうになった。え〜、これからバトル漫画見せられんの?で、これ時々出てくるんですけど、結局これ持ってるから何?って感じのまま終わるんですよ。出した意味!!おそらくこの「気」の概念をもこんだ脚本家も死んだんでしょう。そして後を継いだ脚本家は引き継ぎなくてわかんなくてそのまま書いちゃったんだろうな。合掌。

四つ目のムーランの作戦雑問題。中盤のシーンですけどなぜか単独で深追いするんですよね。訓練中の兵士が「気」を使えるからって深追いするな。魔女が感情移入してくれたから殺されなかったけれども普通殺されるから。あとアニメにもありましたがやっぱり雪崩のシーンはよろしくないですね。敵も倒せたけど味方の被害が甚大すぎる。あと魔女から依枯贔屓で皇帝が狙われてるよって教えてもらうんですけど詳細聞いてないのに、なぜか「少数精鋭でいけば勝てます」とかいうんですよね。なぜ。なぜこの時点で少数精鋭でいけばとか自信満々に言えるんだよ。わかんね〜!理解を超える女、ムーラン。

5つ目の「バーフバリ劣化版」は、もうボーリー・カーンらが砦に攻め込むシーンからそうなんですけど、バーフバリは「こんなのありえない」を軽々と超えて「兎に角凄い!」「意味がわからないけどやばい」「あまりにもアレなので面白い」までになってるからみんな批判しないんですけどムーランは「こんなのありえない」止まりなんですよね。ユーモアがないから笑えるところにも行かない。ありえないがすごすぎてかっこいいまでも行かない。実写のアラジンも凄いアクションがありましたが、あれはガイ・リッチー得意のカメラの角度やスピードの変化でカッコよく見せてました。ムーランはそれがないからなんか「ありえないワイヤーアクションやってんな」で終わってしまうんですよね。

この映画の話をすると、どうしても主演女優の云々、撮影地の云々の話になりますけど仮にそれらが全てなかったとしても決していい評価はもらえない映画だと思います。見る意味ほぼないです。

ファンタジー映画感想151 ホーカスポーカス

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1993年。ディズニーの実写映画です。魔女裁判で有名なセイラムの3人の魔女が蘇り現代の、と言っても1993年当時ですが高校生たちが倒そうという話。SATCのサラ・ジェシカ・パーカーが3人の魔女の末っ子、美人だけどアホのサラの役で出てます。

 

あらすじ

1693年、3人の魔女はサッカリーの妹を殺し、サッカリーは猫にして不死の呪いをかけた。縛り首になる時3人は黒い炎の蝋燭に火をつけたら蘇るという魔法をかける。300年後、ハロウィンの夜、高校生のマックスとその妹ダニー、マックスが想いを寄せるアリソンは魔女を蘇らせてしまう。

 

感想

物語の舞台のセイラムっていうと有名な魔女裁判の土地ですね。でもこの物語には魔女裁判の一件は関係ありません。ハロウィンの夜、好きな女の子にいいところを見せたい高校生が禁じられたことをして魔女を蘇らせてしまい、魔女は命と若さを得るために町中の子供を殺そうとするので、魔導書を持って逃げ回りながら魔女を何とか倒そうという話。

ハロウィンの夜という時間の設定が良いですよね。魔女の格好をした大人が3人ふらふらしていてもみんな咎めない。魔女が魔女らしい発言をしてもみんなパフォーマンスだと思っちゃうんで、主人公たちに助けが入らないんですよ。これが良いピンチを作っている。

基本はコメディでミュージカルシーンもあるし、楽しく見られるハロウィン映画だと思います。特に教訓もないし、本当にただ楽しく見られるだけです。ヒロインのアリソン役、ヴィネッサ・ショウがめちゃくちゃ美人です。 強いていうならサッカリーと妹のエイミーのパート、1693年のシーンはなかなか残酷で悲しいものがありますね。魔女を1993年に倒しても、サッカリーが得られるのは成仏だけなので。キリスト教圏のキャラに成仏っておかしいですけど。

でも永遠の命、彷徨える魂に対する救済は死後の世界へいくことなんだろうな。魂の自由を得る、というのが死者の幸福なんでしょうね。

ホラー映画感想 死霊館 悪魔のせいなら、無罪

死霊館(字幕版)

死霊館 エンフィールド事件(吹替版)

4DXで見てきました。2021年の作品です。死霊館シリーズは8作目かな?一作目の「死霊館」は2013年の映画で実在のアメリカの超常現象研究家のウォーレン夫妻をヴェラ・ファーミガパトリック・ウィルソンが演じています。一作目の監督はジェームズ・ワンで今回はマイケル・チャベス監督。

私は死霊館シリーズは一作目と「死霊館 エンフィールド事件」しか見てません。というのも死霊館シリーズ、面白いんですけど合わない部分もあるんですよね〜。

結論から言えば今作面白いです。2800円払って後悔なし。4DXとの相性もよかったです。というのも、死霊館シリーズってポルターガイストみたいな現象が起こる系ホラーなので窓ガラスが割れて外の風雨が吹き込んだりとかするんでね。ぴったりです。香りのシーンはなかったけど、風や雨、振動とはぴったりあってたと思います。とはいえ、これがホラー映画を語る上で欠くことのできない名作になったと言えるかというとそれはないです。見ても後悔しない、でも見なくても後悔しません。

 

あらすじ

1981年エドとロレインのウォーレン夫妻はデイヴィッドという子供の悪魔祓いの記録を頼まれる。同席していた青年アーニー(デイヴィッドの姉の彼氏)はエドに止められたのにも関わらず悪魔に「デイヴィッドはまだ子供なんだぞ!俺に乗り移れ!」と呼びかけてしまう。しばらく後、アーニーは恋人の職場の男性を22箇所刺して殺してしまう。ウォーレン夫妻はアーニーが悪魔の取り憑かれていたという証拠を裁判に提出することになる。調べを進めていくうち、この悪魔は自ら来たものではなく、人によって召喚されたものだということがわかった。

 

死霊館」シリーズってめちゃくちゃ怖いっていう人もいるんですけど、私的にはさほど怖くないんですよ。正直今作も笑ってしまう部分がありました。

というのはですね、「死霊館」シリーズの幽霊とか悪魔ってめちゃくちゃはっきり映るんですよ。あと見た目も今までのホラー映画でよく出てきた感じの見た目。それが手を前に出して、ウォーレン夫妻やその映画の被害者の人に突進してきたりするんです。「足速い」とか思ってしまって私は笑ってしまった。ITとかと違って幽霊がペラペラ喋るっていうのはないんですけどね。

最初のデイヴィッドの悪魔祓いのシーンは完全に「エクソシスト」なので、「エクソシスト」だ〜と思ってました。世の中の大半の人は悪魔祓いを見たことがないので「エクソシスト」やっておけばみんな「悪魔祓いだ!」と思ってしまうのでいいっていうのはあると思います。

あと私がこのシリーズで苦手なポイントは鼻白むようなテーマをはっきりわかりやすくセリフでいうっていうところですね。ダサい。今回は「愛は強さよ!」みたいなやつ。ダサい。

とはいえ、今までの2作に比べて良くなっている部分もいろいろありました。

①ミステリー要素

これですね〜。今回は割と速い段階で、この悪魔は魔女が儀式によって呼び出したものだ、ということがわかるんで、「じゃあ誰が魔女なのか?」というミステリー要素が入ります。これは面白い。

②目先が変わる(場所が変わる)

今までの死霊館シリーズ眠くなるっていう人がいたと思うんですけど、恐らくその理由の一つが場所が常に問題の家だっていうのがあると思います。いろいろ起こるんだけど、場面は常に○○家だってことですね。例えばLOTRとかだと、最初回想の後、ホビット庄→ブリー村→裂け谷とかって場所をどんどん移動することで画面の景色にも変化が出るんで飽きないんですが、これは悪魔や幽霊に取り憑かれた家族を助ける映画なので場所がずっと〇〇家なんです。○○家食堂→○○家子供部屋→○○家地下室みたいな。たまに移動してもウォーレン夫妻の家とかで結局室内。しかも観客が見慣れている普通の家とかなんです。

ところが今回は裁判の証拠集め、という側面があり、またアーニーが逮捕されちゃうのもあって、場所が問題の家だけでなく、裁判所、警察署、留置所、病院、類似の事件の現場、魔女に詳しい人の家というようにあれこれ移るので景色に飽きません。

 

というわけで割とよかったと思います〜。とはいえホラー好きなら見ておかないと損だよ!ってほどでもないので無理してみる必要はないと思います。

死霊館のシスター(字幕版)

アナベル 死霊館の人形(吹替版)