持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想128 エクスカリバー

エクスカリバー(字幕版)

1981年の作品。これ、借りてよかったです。見てよかった!これとこの前の「円卓の騎士」を見たことでなんとなく「自分アーサー王を映画化する時どうすればいいかわかった!」って気になってきた。何を偉そうなことを言ってるんだって感じかもしれませんが……

 

あらすじ

マーリンは強いが愚かな王ウーサーに太古作られた王者の剣エクスカリバーを授ける。ウーサーの欲望により魔法を使って生まれたアーサーはエクスカリバーを抜き王となる。が、妻グィネビアは友人の騎士ランスロットと恋に。嫉妬したアーサーは剣を捨て異父姉のモーガナはアーサーの子を身籠る。荒廃した国をなんとかするため騎士たちは聖杯を探しに各地へ旅に出る。成長したモーガナとアーサーの息子モルドレッドはアーサーに王位を要求し軍を進める。

 

感想

今回はかなりネタバレしてますのでご注意を。

この話のアーサー、かなりの罪の人なんですよね。そもそも父親のウーサーが脳筋欲望だけのダメ男で、和平を結んだ公爵の妻が綺麗でセクシーだからってマーリンにおねだりして公爵に化けて一夜を共に、それで生まれたのがアーサーなんですよ。エクター卿に育てられ、ケイ卿と兄弟ってあたりは私の読んだ本と同じですごい入りやすかった。これ勉強したよ!って感じ。その後のランスロットと仲良くなって云々のあたりはいつものパターンです。

パーシヴァル、聖杯といえば俺でしょ!って感じでてくるパーシヴァルがランスロットの従者なんですけどこれってオリジナル?すごい野生児みたいな感じで出てきた上騎士に任じられるまで名乗らないからモルガナの手先かと思ったよ!マーリンがモルガナに惹かれて酷い目にあうあたり面白かったな。そういう話、伝承にもあるんですよね?よくは知りませんけども。

で、モルガナの策略&ランスロットとグィネビアの恋のせいで一気に国が暗くなり、これをなんかできるのは聖杯しかないねってことで騎士たちが聖杯を探しに。このあたりの悪夢っぽさ、すごかったです。騎士が木から吊るされて鳥に肉を食べられてるのは美術がやや偽物っぽくても表しているものがエグくて辛かったな〜。聖杯を夢の中で見つけてアーサー覚醒、モルガナとの息子、モルドレッドと勝負になります。囚われていたマーリンも出てきてモルガナに一矢報いる。

最後は人の作ったものには突き通せない鎧をきたモルドレッドが(これがイケメンなんですよ)アーサーにエクスカリバーで突き通されて死にます。ちなみにこの時アーサーも致命傷。最後はパーシヴァルがエクスカリバーを湖に返してアーサーの死体が船で運ばれて終わりなんですけど、すごいまとまっててよかった。主人公ちょいちょい変わりますねって感じですけども。

 

すごいオペラっぽいです。音楽とか最後すごいオペラ。

この話結構衣装がよくて、グィネヴィアの色がいっぱい使われてるドレス、結婚前も結婚後もめちゃくちゃ可愛い。婚礼の衣装も最高です。女優さんは円卓の騎士に比べるとちょっと普通顔で可愛らしいその辺の女の子って感じですけれど。モルガナの衣装も悪を明らかにするまではロイヤルブルーのドレスにいわちのメンカラみたいな濃いピンクのヴェール被っててその反対色が悪そうでいいですね。本性を表した後は蜘蛛をイメージさせるようなドレスに変更。最後の鎧は鉄の乳首ドレスです。モルドレッドの鎧もめちゃくちゃよくて、私これが一番気に入ったと言っていい。子供の顔を模した黄金の兜と筋肉の黄金鎧なんですよ。大きくなると青年の顔の兜になるんですけど、中の鎖帷子みたいな部分も合わせるとなんか不恰好なキリストみたいになるんですよ。偽キリスト、偽神の子って感じの鎧。衣装さん素晴らしい。服で彼の不気味さ、邪悪さを表してる。

 

アーサー王の映画でいいやつランキングをするとしたら今の所これが一位です。