持丸のファンタジー映画感想

基本ネタバレなしのあらすじと感想で構成されています。ファンタジー映画である限りどんなC級であろうと見なければならない呪いにかかっています。記事の頭に画像があるのはリンクで飛べます。

ファンタジー映画感想141 キング・アーサー

キング・アーサー(字幕版)

2017年。ガイ・リッチー監督の映画です。これ6部作になる予定だったって聞きましたけど大赤字を出してこれっきりになったみたいですね。その当時で最大の赤字を出したらしいです。「だろうよ」という感じの映画だったのでそれをこれから書いていきます。

 

あらすじ

ユーサー王は弟のヴォーティガンの反乱で殺される。逃れたアーサーはスラムの売春宿で育つ。ヴォーティガンは石になったユーサーの体に刺さったエクスカリバーを抜いた者が正当な王、アーサーであるとして年頃の男に剣を試させていた。抜いてしまったアーサーは反乱軍に加わることに。

 

感想

あんまりよくなかったですね〜ガイ・リッチー監督は好きなんですけど。実写のアラジンとかロバート・ダウニーJrのホームズとかね。ジュード・ロウが好きな監督さんなのかな。今回もヴォーティガンはジュード・ロウでした。ちなみに肝心のアーサーはチャーリー・ハナム!ゲースロのベイリッシュ公のエイダン・ギレンが反乱軍の貴族で弓の名手、脱獄名人の役で出てたんですけどもう悪い奴なんじゃねーの?という疑いが止まらなかった。 ガイ・リッチーらしい映画ではあったんですよ。スタイリッシュでスピード感があって、時間を切り刻んでリズミカルに並べることで煩わしい説明をしないところとか。

でも色々このアーサー王伝説というテーマではよろしくなかったですね〜。まず、チャーリー・ハナムが王に見えない。売春宿の用心棒に見える。まぁそうなんですけど、物語が進行しても王には見えない。もうちょっと賢そうな役者さんにやってほしかったな。それか美青年。ランスロットでないんだし。

まずエクスカリバーが完全なる魔法のアイテムなんですよね。エクスカリバーを振るった時の効果やばいので見てください。

それからモルドレッドの魔法がやべーんですよ。王の帰還でハラドが連れてきた巨大な象いたじゃないですか、あの20倍くらいの大きさのやつが背中にピラミッド乗せて攻めてくる。やばいでしょ?キャメロット城大ピンチ。でもモルドレッドはさっと死んで、すぐヴォーティガンの裏切り。ヴォーティガンは愛する人の命を代償に湖の地下の怪物に魔法で協力を得てるんです。この怪物の造形は良かった気がします。綺麗なのと年寄りなのと何人かの女、それとタコの合わさったような怪物。外国の人、タコ不気味がりますからいいんじゃないかな。

魔法も良かったと思います。ゲースロで狼潜りって術あったじゃないですか、あれをこの世界のメイジ(魔術師)も使います。あれかっこいいですよね。なんか魔術辞典みたいなの読んでたら出てきたので、ゲースロのオリジナルというわけでもない。

あれもこれも良かったって言ってるんですけど、何がよくなかったまとめますとね、①ガイ・リッチー節にこだわりすぎてわかりにくい、②ガイ・リッチー節にこだわりすぎてキャラが元の伝説の人物に見えない、③いろんなアクションとか枝葉の登場人物のエピソードを盛り込んで長くしているけれど話として大した話じゃない、④(ファンタジー好きなのにこんなこと言って申し訳ないけど)アーサー王伝説にしてはファンタジーが荒唐無稽すぎる。

特に④では修行のシーンがもうお金かけてるけど安いファンタジーみたいだった。別にいいんですよ、ああいう演出も。でもあれやりたいならアーサー王伝説じゃなくもっと新しいファンタジー小説を材にとれば良かったと思う。

女と子供を人質に取られてアーサーがヴォーティガンの元へいくシーン、蛇が出てきて大暴れするんですけど大きすぎるんですよ。ファンタジーにしても適切な大きさってあるんだな、ということがわかりました。

あと最後ジュード・ロウが謎の悪魔戦士に変身しちゃうんですけど、マジで意味がわからなかった。何?なんで変身したの?より闇に落ちたよアピール?要らなかったと思うけどな〜〜〜。

そして最後までバイキングの下りいらなかった気がしますね。というか全体にアーサーの売春宿の生活に時間割きすぎですね。金貯めてた演出も何を目的として貯めていたのか最後まで説明なかったからあれにあんなに時間割く必要あった?ってなる。ガイ・リッチー独特のテンポと音楽に乗せて印象的にアーサーがお金を貯めているのをアーサーの人物紹介の最初にやってたから意味あるのかと思ってたけど別にねーし。何?ってなります。

とりあえずあんまりいいアーサー王映画ではなかったし、ガイ・リッチーの代表作にもなれない感じでした。お金はかけてたし貧乏くさいな、とか映画として成立してないなってレベルではなかったですけども。